真鍮の止まり木

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お願いだからこんな俺のことは見ないでくれ

 資格がなきゃ、泣いたらダメだよ、と優しい私が諭す。私の事、よくわかってるからだ。

 ボタボタと溢れる、溢れる。きっかけなんて、何でも良かったの。自罰がやれるのなら、何だって、どうだって良かった。

 沢山の「駄目な所」が、六畳一間にばら撒かれている。全部私だから、丁寧に拾って、泣いて、丸めて、声を上げて、全部捨ててしまおうね。

 電源の入っていない冷蔵庫みたい。ひんやりして、腐った汚物の臭いがする。存在が、汚れているからかな。通知表も、辞表も、遺書も、全部同じ臭いがする。

 だって、縫い目が裂けてしまったから。だからね、この涙も理由なんて単純で明白なんだと思うよ。

 架空の男が窓辺に立って、暮れなずむ空を見つめている。横顔が死神のようで、もっともっとと泣き縋りたくなる。駄目なのにね、彼にはもう、「唯一」が居るんだよ。

 私が隠れてしまえるような、そんな隙間はこの世の何処にあるのかな。行きたい世界はきっと、此処よりももっと白い所なんだ。白くて、温くて、怠い場所が、この世の何処かにはあるのかなぁ、そうなのかなぁ。

 彼は空から目を離さない。私の方など、見もしない。そうだね、識っている。彼はもうずっと、私にとっての「唯一」だった。

 唯一、Only One、絶対。どう呼んでも、存在の幅は変わらない。彼が私の世界の良心。私の中で、最も透明な存在。

 

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 やっぱ吐き出すしかなかったので。これが私なりの「子守唄」ですし、明日には立ち直ります。