真鍮の止まり木

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帰宅

 長い旅行から帰ってきました。文章について、物語について、男二人について、考えながら旅行をしていました。BLが好き、というよりも、もはやフィクションの男二人を考えずにはいられないようになってしまったなぁと、旅行中そんな感慨に耽ることがたびたびありました。もはやただの習慣なんでしょうね。フィクションを考えること、キャラメイクをすること、そういう一つ一つが、私の習慣なのだと思います。

 

 旅行をして何かが変わるかもしれない、と少し期待していましたが、実感としては何一つ変わったと感じることはありませんでした。ただ、旅行はひどく楽しかったです、本当に。楽しかった、自由だった。一人で旅することがこんなに自由でこんなに楽しいということ。それが私にとっては非常に価値のある気づきになりました。

 旅先でいくつかトラブルもありました。そのたび、自分の「手札」でなんとか足掻いて、そして切り抜けていきました。そういう体験ができたことが私にはひどく嬉しかったです。ああ、自分はトラブルに遭遇したとき、対処できるだけの「力」が「知恵」が、ちゃんとあったのだと、知ることができたからです。「何もできない、なんてことはない」と、しっかりとかたちを持った「実感」を、また一つ手にすることができたからです。

 もうすぐ自分の生活環境が一新します。まぁもうすぐ、というか来週からなんですけど。今後のことを考えて、不安にならないときはありません、いつだって不安で不安でどうしようと泣きたくなります。でも、そんなときに「なんとか一人でも生きられるようだ」というこの確信が、今確かに信じられるこれが、きっと私を助けてくれるのだろうと思います。

 変わっても生きていられる、と胸を張って言いたい。前向きには生きられなくても、でも、こういう生き方でもいいんだと、思えます。日によって左右される感情の揺れですが、ともかく、今日このときは、そう思えるのです。そして私はそれを嬉しいと感じています。

 

 ところで、明日からあんスタで自分の担当が登場するイベントが始まるので戦々恐々としています。イベントストーリーのなかで、一体どんな英智くんの一面が明かされるのか、恐ろしくてドキドキしています。ドキドキ、というか不安で不安で胃がムカムカしています……担当に精神的に殺されるのかもしれない……どうしよう……。

 

 一週間まともな文章、例えばブログの文章だとか物語の文章だとかを書かないで過ごしてしまったので、感覚を取り戻すため、今日からまた「書く」という作業をやっていきます。本当にこうして文章を練るのが久しぶりで、つらつらとしたことを気分のままに書いているだけですが、文章を打っていると自分の日常が戻ってきたようでほっとした気持ちになります。長い間留守にしていたけれど、やっと帰ってきたのだという感じがします。そうです、私は帰ってきました。日常に戻ってきました。