真鍮の止まり木

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貴方のことが知りたい

昨日、知り合いとお酒を飲んで、美味しいものを食べてきた。

嬉しかった。楽しかった。

美味しいお酒と、美味しい食べ物がテーブルにずらりと並んでいる。

それを見ているのも嬉しかった。

家に帰って、「ああ、あの楽しい空間で、私は自分の話ばかりしてしまったようだ。もっと、相手のいろんな話に耳を傾けたかった」と思った。

相手とは、それほど親しい間柄にあるわけではない。でも、相手の誠実さや人としての柔らかさを、私は知っている。

だからこそ、もっと「対話」がしてみたかったなぁと思った。もっと相手の趣味や、思想や、仕事のスタンス、人生のスタンスなんかを、聞いてみればよかった。

お酒を飲んで、楽しい気分になると、どうしても自分の話ばかりしてしまいたがる。それだけでは駄目で、私には、相手の話を膨らませるように会話を運んでいく技術が必要だ。

そうやって、相手のことをもっと知っていけたら良いのに。

浮かれ気分のまま、帰路に着く。自宅の途中にあるコンビニで、人生で初めてタバコとライターを買った。自宅には灰皿がなくて、結局タバコは吸えていないままだ。

タバコは、ずっと買ってみたかったものの一つだった。なぜか私は、タバコを買うのはハードルが高いと思い込んでいた。けれど、実際に購入してみてわかった。タバコを買うというのは、「なんだ、こんなものなのか」と拍子抜けする程に簡単な行為だった。

タバコを買ってみたかった。そして、「何かあったとき、私には縋るものがある」という気持ちを、手に入れたかった。その思いは、今満たされている。

明日もきっと大丈夫なのだと思える。

昨日は本当に楽しい日だった。一日の最後を「楽しい!」という気分で過ごすことができて、良かった。